宮澤賢治★短編童話「フランドン農学校の豚」を読んでみた
図書館でベジタリアン宮澤賢治の著書を パラパラしていて見つけた短編
亡くなった翌年(1934年)に発表された作品「フランドン農学校の豚」(←全文読めます)。ある農学校で養われている知能のある豚が、学生たちに殺されるまでぞんざいに扱われることの苦悩を描いた物語。
冒頭部の草稿(枚数は不詳)は現存していない。このため、本作のタイトルは全集編集者によって付けられたもの。だそうだ(ウィキペティアより)。
以下、一部抜粋
>怖いい、ああ、恐い。豚は心に思いながら、もうたまらなくなり前の柵を、むちゃくちゃに鼻で突つっ突いた。ところが、丁度その豚の、殺される前の月になって、一つの布告がその国の、王から発令されていた。
それは家畜撲殺同意調印法といい、誰でも、家畜を殺そうというものは、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、又その承諾証書には家畜の調印を要すると、こう云う布告だったのだ。
これを読んだ時 思った
そうだ! そうすれば良いんじゃないかっ流石 賢治だ… と、しばらくたってから 気付いた。
家畜と話は 出来ないじゃん…orz
当たり前だけど 一瞬 話せるんじゃないかと、思わせる力があるのがフィクションねと。
「いやです、いやです、そんならいやです。どうしてもいやです。」豚は泣いて叫んだ。
「いやかい。それでは仕方ない。お前もあんまり恩知らずだ。犬猫にさえ劣ったやつだ。」校長はぷんぷん怒り、顔をまっ赤にしてしまい証書をポケットに手早くしまい、大股に小屋を出て行った。
「どうせ犬猫なんかには、はじめから劣っていますよう。わあ」豚はあんまり口惜しさや、悲しさが一時にこみあげて、もうあらんかぎり泣きだした。
承諾書を、取り損ねつつも、結局最後はこう
「いやですいやです。」豚は泣く。
「厭だ? おい。あんまり勝手を云うんじゃない、その身体は全体みんな、学校のお陰で出来たんだ。これからだって毎日麦のふすま二升阿麻仁二合と玉蜀黍の、粉五合ずつやるんだぞ、さあいい加減に判をつけ、さあつかないか。」なるほど斯う怒り出して見ると、校長なんというものは、実際恐いものなんだ。豚はすっかりおびえてしまい、「つきます。つきます。」と、かすれた声で云ったのだ。
最後はサックリ喉を切られて、
>この物語は、あんまり哀れ過ぎるのだ。
…と、 宮澤賢治。
本で読めるのは以下の短編集等
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コメント
natsumiちゃんこんにちは。前の記事に紹介されていたコーヴのあらすじVTRを観ました。今、amiの心は
はりさけそうです・・・イルカたちのうったえるような泣き声は、赤ちゃんの泣き声とよく似ていますね。昔からの古い風習があったとしてもあんなかたちであったのだとしたら、それは違うと思う。一つの生命に対する畏敬の念がまるで感じられない。
でも・・・太地にいる漁師だけの責任じゃないと思う。そんなことをゆるしている日本の課題なんだね。
ひとつひとつの小さな選択の積み重ねと、現状を学ぶこと、大事にしていくよ
投稿: ami | 2010年11月15日 (月) 00時29分
AMIちゃん
ありがとうamiちゃんイルカ好きだもんねTHE COVEまだDVD化してないみたいだけど。
したら是非見て欲しいよ
投稿: Natsumi | 2010年11月16日 (火) 09時30分