バス停にて
人気がいないバス停で、日傘を差した品の良いおばあさんが一人、話しかけてきた。
孫が東京で声優を目指していて、お盆に帰ってくるのが楽しみなのだそうだ。
停留所に影を落としていた、紅葉をおもむろに 眺めて。
「い・ろ・は・に・ほ・へ・と…。良いことありますように。」と、7つ葉の紅葉を摘んで、くれた。
「良いことあるんですか…?」
「他の紅葉は5つ葉でしょう?ほら。…それとも。良いことありすぎて、いらないかしら?」
「いえ、欲しいです。 ありがとうございます。」
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おばあさんのバスが来て、「ありがとうね、気をつけて。」と閉まるドア。
「お元気で。」と、見送った。
持って帰って 押し葉にした。
良いことありますように。
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朝突然、電話が鳴った。 長崎に住む大学時代の友人からだ。
彼女が挿絵を担当した本を送ってもらっていたのに、まだお礼の連絡をしていなかった。
その事を言及すると、「勝手に送っただけだからいいよ。」と、のほほんと答える。
「今度平和のイベントで頼まれて、歌を歌う筈だったのだけど。ピアノが無いって事で、(ケルトのバンドの中で) 私だけ出れないんだ。」
「…バンプオブチキンの歌、歌っていい?」と、突然 電話の向こうでピアノの弾き語りが始まった。
アレンジしまくっているが、上手い。
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「ケルトの歌、聞いたことあったっけ。」
「前、歌ってくれたよ。(電話で)」
「歌おうか。」
「いいよ。電話代勿体ないし。」
「いいよ! 電話代なんて。滅多にかけないし。」
「……じゃ、歌って。」
.
「1曲目が、アコースティックなナンバーで。で、2曲目が弾き語りね。」
(2曲も歌うんかい)
力強い旋律のピアノ。通話中の携帯を机に置いて、
製作途中の漫画をぼんやり眺めながら、聞いていた。
受話器の向こうで、長崎の風と、ケルトの音楽が流れている。
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