内藤記念くすり博物館へ行ってきた!
前から行きたいと思っていた内藤記念くすり博物館に
やっとこさ行ってきました
企業博物館で
入館は無料。
名前を記入して入ります。(チラシと飴頂きました)
見終わった後気づきましたが、入ってスグに無料のロッカーが。
最初にお出迎えするのは…「白沢像」
【白沢は古代中国の想像上の神獣で、6本の角、9個の目を持ち、人の言葉を理解し、(キモッ!) 病魔を防ぐと信じられてきました。日本では病魔除けや旅の守り神とされました。江戸後期にコレラが流行した時には、白沢の絵が売りに出され、人々はこれを身につけたといわれています。】(説明文より)
人面牛ですね~。顔がオッサンなところが珍しい(…てか全然可愛くない
)。温泉に入って
「くはぁ…」とか言うんでしょうか。体の目もかなりシュールです。
病魔によって病気がもたらされると信じていた昔、神仏に納めて回復を祈る為の、絵馬や子供の成長を願ったおもちゃ(お守り)が並んでました。
「もとの身体にかえる」様に、カエルの絵が描かれていたり。目が8つ描かれていて、「やむ目=病む目」が直るように (-人-;) とか。
日本のお守りや伝承(神サマ)とか、親父ギャグというか、言葉遊びの発展上(語呂合わせ)っていうパターン
ばっかですね。
白沢の絵もありました(左3枚)。虎のは江戸で流行した病気(コレラ)の根源だと恐れられた妖怪『虎狼狸(ころうり)』。虎と、狼の身体と、狸の金玉がついてる化け物です。走りにくそうですね。
一番右は「為朝と疱瘡神」 ミミズクがなんか変。
ベジ的にグロッキーな「生薬(しょうやく)」コーナ~【動植鉱物から採取・加工したもの】。
一角の歯牙、冬虫夏草、ヘビにミミズに、サイの角、サルの頭や、亀の腹甲、鹿の角をスライスしたものに、人の胎盤etc…。珍しくてなかなか手に入りにくい貴重なものは、何でも薬と成り得たようです。
中国・ベトナムに生息するオオヤモリを乾燥させたものは強壮、強精薬、咳に。
雌雄一対で用いるとか。雌雄一対で服用する意味が分からん
。
「神農像」がありました【もともと神農とは、農耕を教えたとされる農業神でした。しかし後生になると、市場を開き物々交換などの商いを広めたことから、商業の神とされたり、医薬の神としても信仰されるようになりました。】薬草で
身をまとっていて、頭には角が2本あります。河童みたいで
可愛いですね。
葛根湯のコーナーに、ヤカンがあり
「薬缶」と書かれていました。元々は薬を煎じたので、薬缶(ヤカン)と呼ばれるようになったそうです
なる程。
ツボの位置を示した、経絡図と人形がありました。う~ん、インパクト大
。ロボットみたい。
針とお灸の展示があり…
熱いお灸をして顔を歪める女の顔が、浮世絵の題材として人気
だった様です→
苦悶する女の顔が萌えるって事ですね。
昔も今も、基準は変わらんな。
↑町中を行商する薬屋、「定斉(じょうさい)売り」。「定斉(じょうさい)は、豊臣時代・大阪の薬種商
定斉が中国の薬法を得て作り始めたという夏季の諸病に有効な煎じ薬のコト。」
定斉売りは「自分の売る薬を飲んでいれば、夏の暑さに負けないはずだ」と夏の炎天下
笠もかぶらず一対の薬箱を天秤棒でかつぎ、歩行に拍子をとりながら、薬箱の引出しの
環(わ)を「カッチャカッチャ」と鳴らして
、売り歩いたそうな。(一番右・説明文撮ってくるの忘れた
確か無料で枇杷茶をふるまう行商。
茶がこぼれてると思う)
約300年前富山藩と行商人が力を合わせて発展させていった
「富山のくすりやさん」は、一年に一度やってきて
置いておいた薬の中から
使った分の代金だけを受け取り、減った分のくすりを、袋や箱に補充していました。
この時に「くすりやさん」は、必ず
紙風船や富士絵(綺麗な色刷りの版画)をお土産に持っていったので、大変喜ばれましたとな。(各地でニュースを聞き
伝える役目もアリ)
子供専用のお土産なんて、ファーストフードみたいだ。後で
2階に上がった時、この紙風船を作ろう
(10円)が無人販売所みたいに設置されていました。紙風船というよりは…ただの紙の立方体では。
ここでは貰った版画のお気に入りをペタペタと貼られた屏風も展示されていました。ああ…分かるよその気持ち
。私もお気に入りのポスターとかチラシとか、Myルームに貼りまくるから
。後世にこんな形で、展示されるとは思って無かっただろうね(´ω`;)。
気に入ったのが、昔の薬の袋。主に家族が協力して、文字を刷っていたようです。
2色刷りとか。
内職的に
家族がせっせと作っていたと想像出来て、微笑ましい。
日本産だけど→西洋風の名前の薬
第一号がこの「ウルユス」だったそうです。
でも外国語ではなく、「ウ」「ル」「ユ」の3文字を組み合わせると、「空」という漢字になり 「空(カラ)ス(る)…」。
つまり胃腸を「空(カラ)にする薬」だそうです。
ああ…またしても、親父的センス。
その後真似してカタカナ名の薬が流行ったとか。「ホルトス」「フルイム」
くすりを作る為に用いた、道具も展示されてます
。
茎の長い薬草は「片手切り」(一番左)で切ったとか(包丁が悪くなりそうだ)。「両手切り」(固いものはこれで)や、生薬を粉にする「薬研」「石臼(いしうす)」。サイの角など固いものを削った「鮫皮製けずり器」(鮫皮が生板の上に張られている様なつくり) 等が並んでます。(江戸時代の大型の製丸器も)
薬の名前をギュッと圧して刷るヤツが、チョコレートみたい
と思ったり(
左から2つ目)
。一定の数の丸薬をすくい
、袋に入れることが出来る「丸薬計数さじ」(
左3つ目)が、頭良いな~と思ったり。
ポルトガル人やオランダ人が
西洋の文化を伝えはじめた、16世紀。海外の薬も入ってきて、軟膏の元としてオリーブ油が「ポルトガル油」と呼ばれて重宝されたとか
。
(長崎を通じて日本に入ってきたオランダ徳利(とっくり)→)
蓋が飛ばないようになっている、鎖付き瓶が気になります
「発酵性のお酒か、漏れると危険な薬が入っていたのでしょう。」 と説明文。
各国の薬瓶も並んでました(一番右)。スペインのは中身の薬草の絵が、瓶に描かれていて実用的かつ
美しい。
蟲師が好きだし。短編で
描こうかなと思っている、漢方師のネタもあるので、こういうの見てるとゾクゾクします
。パタパタと観音開きで、担いだ薬箱が開いて…
機能的なものって格好良い。
右の二つは「百味箪笥」。様々な生薬を整理し、使いやすく収納した薬箪笥。医師や薬屋の備品として欠かせなかったとか。韓国のには、生薬名が直接引き出しに書かれてたり。
薬の重さをはかる為の「銀秤」入れがバイオリンケースみたいだと思ったり。
毒を消す作用があると信じられていたサイの角「犀角器」に
お酒を入れて飲めば、毒が入れられていても
大丈夫
とかありました。
←中に入って下で火をたいて、蒸気と共に薬草成分を浴びる蒸気風呂が拷問道具を彷彿とさせる。
2階では企画展「くすりの夜明け」を開催中
。
現代までの薬や、戦時中の救急箱(鞄)、診察室の再現や、医療器具、診察鞄や、吸入器、ポスター等が展示されてて。
右のは、一緒に食べてはいけないとされていた
「食い合わせ」。これを守れば
大丈夫と信じられていたようで、今では
科学的根拠がないとされています。…が、ナチュラルハイジーン的には
あると思います。ハイ。西瓜と天ぷらは、よろしくないよね。(特に
動物性の場合)
この時にこりんぼうさんの所でゆっくりし過ぎたのか
、最初からじっくり説明を読み過ぎたのか
気づいたら4時
4時半に
閉まるので、残り30分
。後でもじっくり見れるように、
撮りまくりながら見て周りました。
アメリカの画家ロバート・アラン・トムが
医学関連書の挿絵として描いた作品が良かったのですが
、ゆっくり見れなかったので
後でググって
画集でも借りよ~と思ったら…
見当たら無いよ~
最後2階には、脳年齢チェック
だとか、自分のデータが知れる機器が置いてありました。
身長・体重・体脂肪計・骨健康度計・全体反応測定器・握力計・血圧計。カロリー計算もありました。時間があれば、測定やりたかったかな
。
くすり博物館では
薬草園の見学やイベント等開かれていて
「薬膳弁当」の案内もあったので、お聞きしたら
お肉は入ってる様でした。
←受付の上には、白沢ストラップが販売されています。陶器ではなく、硬めのゴム製。真っ白だったので…、目部分に
線画も入れた、リアルバージョンなら欲しかったかな
(笑)
歴代のカタログも販売されていたので一番安い250円のカタログを一冊買いました。カラー写真で簡単に網羅してあって良い
。
博物館横の温室では、日本では数例しか報告されていないマンゴスチン(果物の女王)の開花・結実がされたそうですが
残念ながら散水が始っていたようで、博物館を出た時には
スデに閉まっていました(寒かったから、温室入りたかったのだけど
)。
やぁ、満足しました。くすり博物館(
アリガトー
)。 復習の為に
アップしたこの記事もまた満足
(笑)しばらくは買ってきたカタログと
博物館だより
読んでます。こうしてまた、興味も広がったので
薬関係の本も借りていこ~っと
。
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