マンガ 平壌―あるアニメーターの北朝鮮出張記
京都マンガミュージアムの特別展に置かれていた「マンガ平壌―あるアニメーターの北朝鮮出張紀」ギィ ドゥリール(著) を図書館から借りてきて読みました
。
作者は
カナダ人のアニメーター
。2001年5月から2ヶ月間
仏のTVアニメの仕事で平壌の撮影所に派遣された時の事を漫画にした一冊(モノクロ)。
これを読んでいると…
「未来世紀ブラジル」とか、SF作品の舞台を彷彿とさせる
。これが2001年…まだ最近の北朝鮮だと思うと![]()
ゾっとする。哀愁漂う制約だらけの出張先を
アニメーターの視点から冷静かつ、ユーモアを交えて描いている
。
空港に出迎えた運転手から
全長22mの国父像に手向ける為に
花束を渡される作者。外国人の彼には
どこへ行くにも「ガイド」と「通訳」付![]()
。見学できる
地下鉄の駅は2つだけで。その一つは、大理石の床
天井シャンデリアの地下宮殿で
ラスベガス並みに
地下鉄を照らすが、交通信号を灯す電力は
常に不足している。首都から
郊外の展覧館(世界各地から「永遠の首領」に送られた
品々が展示されている館)へ行く為だけに作られたガラガラの高速道路とか(展覧館は
核攻撃にも耐えられる)。
驚いたのは
、彼らの親愛なる指導者は「輝かしい社会を再建する為には、人口の30%(つまり党幹部や下士官以上の軍人) が生き残れば十分。」と
ハッキリ言っていた事('96年宣言)。
市民は週6日の労働に…「ボランティア」の日が1日。街路樹の下の
石を白く塗る女性、広大な高速道路をホウキで掃除する人々…。それに対して
拡声器から(時には宣伝トラックが来て)流される
プロパガンダ
。あと女性に自転車は危険すぎると
金正日が言って以来
女性はもっぱら三輪車だとか。
作者は
ピョンヤンの清潔な通りを何週間も歩いていて
障害のある人が全くいないという事を不思議に思う
。
「(=゜0゜)平均すると人口の7~10%が…」と
ガイドに疑問をぶつけると、
「いないんですよ。わが国の国民は極めて均質で、誰もが強く賢く健康に生まれてくるんです。」と(本当にそう信じているらしい声で)答えるガイド。人の頭脳は一体どこまで操れるのだろう…( ´_ゝ`)
と考える作者。
「物事を別の角度から見ることは
とても大切です
」と
戦争中に朝鮮人民が被ったあらゆる残虐行為を紹介している
帝国主義蛮行博物館に連れていかれる作者。敵の非人間性を証明しようと
展示には宗教裁判の頃から第三帝国まで…(゚д゚;)
時代をさかのぼった拷問イラストや、残虐行為を強く印象付ける為の
油絵があり。
「アメリカ人は我々の敵です」と言う無邪気な
案内嬢は、作者の見学がすむと
…唖然とする質問を投げかける。
「さあ、アメリカ人をどう思います?」 (作者カナダ人ですよ…
) それに対して作者のナイスな言葉…![]()
。
Gigazineになんだか見ていて切なくなる北朝鮮のゲームセンター とか、かなり独創的で危険な北朝鮮のテーマパークとかあって思わず見ちゃいましたけど(笑)。 北朝鮮を知る事が出来る
入門書としてもおススメです
。笑えるし。
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