「靖国」を見に行ってきた
これが21世紀の日本かと
気持ちの悪くなるドキュメンタリー映画でした
冒頭から8月10日の靖国の様子が映し出され、旧日本軍姿で日の丸を持ち「天皇陛下~万歳ーっ
」と叫ぶ、タイムスリップして来たかの様な軍人や、軍艦ラッパを披露する
水兵達
軍服というのは、コスプレとか…馬鹿な人がやるイメージでしたが。
本気の人々が(>_<) 続々と…。(カメラマンも度胸あるなぁ…)
小泉元首相が出てきて (この辺からどっと嫌気が…)、「靖国を参拝するのに、中国や韓国の人が駄目と言うのは理解できない。心の…精神の問題であって―」と言う映像が写り。(人が嫌がることはやっちゃイケナイって幼稚園で教わらなかったのかコノ人は)
靖国では星条旗と、「小泉首相を支持します」というプラカードを掲げるアメリカ人。「サイン下さい」
とサインを求める老人(何故。有名人?外国人だから?←大阪万博か)。 「米と日本はもう友好国だからね
」とか「何をやってる人…?出身は?」と話しかける
老人達。
靖国神社で米国旗掲げて…
反感買わないのだろうか
と思ったら、やっぱり罵声が飛んできて、「いや、この人は賛同なんだよ。」と男をたしなめる老人。怒鳴られた米人に「日本人はあんなのばっかじゃないからね。」とか「気にしないでいい。」とか四方八方近づき、思い思いに主張の言葉をかける老人達。ドキュメンタリーなのだけど、一歩間違えればコメディというか…異様な様相の老人達が滑稽に映る。
国旗が誤解の元だからと
警察が制止に入り、取り巻きが増え、肝心のプラカードが見えなくなると
見えるのは星条旗だけ。「広島を忘れないぞ
アメリカへ帰れ!ヤンキーゴーホーム!!
」と、群集は罵声の集団へ…(マスパニックって恐ろしい)。
この人は反対するならともかく。自分の身を危険にさらしてまで
「賛同」を主張する必要性がどこにあったんだろうと。的外れな行動力に、ちょっと呆れました…。
大テントを張った追悼集会では、都知事が挨拶をして拍手喝采
(…この人は本当に…)。続いて開会の挨拶を
全身白のスーツにスカート、胸元には大きな白い花をつけた女性が、「日本国に誇りを取り戻す…」等といった趣旨を読み上げ、会場は大きな賛同の拍手。女性は本堂の方を向き、2礼。スーツ姿の聴衆は起立し国歌が歌われる
そんな会場前に飛び出し、何やら叫ぶ黒シャツの若い男。(抗議は大音響にかき消されてよく聞こえない)。会場横にひっぱり出され
寝技で首を絞められる(誰か止めろよ…;) しばらくして、仲裁に入る男達。「何て事するんだ
」と怒鳴りつけ
花いちもんめの様に横に並び、威嚇しながら
黒シャツの男を鏡外へどんどん追い出していく。。。
「中国へ帰れ!中国へ!!」と同じ台詞を、同じ抑揚で叫び続けるオッサン。もみくちゃにされてる横でカメラマンが近づき「中国の方ですか」と問うと、「日本人です」と一言。…。
靖国で軍服姿で白髪のヒゲを蓄えた老人は、カメラマンに向かい説教をする。「今時の若者はイカン
英霊の御霊に感謝するということを知らない。
学校で教えていない
教えなければいけない
あなた達若者は…」
「ええ、ええ。」と聞くカメラマンが中国人だと気づかずに言っている様な …(ノд-。)痛い台詞。 (「英霊」って言葉初めて知りました)
でも過去を語る老人達の会話を見ていると。それが自分のアイデンティティーで信じてきたことで
、大切な友人が亡くなっていたら
それを否定される事を反発したくなる気持ちも少し分かり、悲しさが伝わりました。
靖国に祀られてるのは遺族の意志ではなく
台湾で日本兵として駆り出され戦死した父を、勝手に靖国に祀られた台湾女性は
「台湾の人達は親日だと思われているけど、そうじゃない。」とカメラに語り
門前払いしようとする神社を訪ね「もう7回もここに来ているんです
家族の魂を返して下さい
」と分祀を訴えていました。(翻訳している男が、酷い罵声っぷりに翻訳してるのが、何だかなぁ…)
父を戦争で亡くした住職が総理大臣から送られてきた
勲章を机に広げ…「誤った国策の為に殺されたのだから、家族は国を訴えて、恨みたくなる。でもこういうふうに名誉だったと称えられると
私達の思いはどこかへ吸収されてしまう。ずるいシステムですよ。勲章というのは。」と冷静な分析が
印象的でした。
一方で、南京大虐殺で戦犯にされた父の汚名を晴らしたいと
南京大虐殺を否定する署名を、靖国前で求めるおばちゃん…
署名する老人。
「戦争ー反対ーーっ
」と靖国前で
声を上げるデモ隊に対して「戦争ー賛成ーーっ
」(!?Σ(@Д@;))と怒鳴りつけ
デモ隊と睨み合う男。(靖国の近くに住んでる人は大変だなぁ…(。´Д⊂))
大半 男だらけの右翼な映画だと思いましたが(これを中国人監督がよく撮ったなと…)、最後戦争の悲惨さを写した白黒映像が回想的に映されて、やっと少し
調和がとれたイメージでした。
別の映画で飲み直し…(もとい観直し) たい気分の私に
「まぁこういう世界もあるんだって知れて良かったね
(胃が痛くなったけど)」とはRISAッチ談。言い得てます
ありがとう。
予告編では難民を追いかけた『バックドロップ・クルディスタン』と、コーヒー豆の裏側(フェアトレードの必要性)を扱った『おいしいコーヒーの真実』が気になりました。
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コメント
私のブログは削除しました・・・。
なぜなら、知り合いの男性にかなり批判されたコメントをいただき。
反省です・・・
男性にとってはかなり失礼な意見でしたね。
下手に自分の意見を書くのもよくないってことを痛烈に学びました
投稿: Risa | 2008年7月28日 (月) 01時12分
そうなんだ。あの(自分の)コメント結構気に入ってたんですが(笑)
ひとまとまりにしちゃったら、ちょっとマズかったかもね。寛容に…部分的に見ないとなのかな。でも
勉強家だなぁとか
素直だなぁって思ったよ。ただ思ってるだけじゃなくて、主張していくにはバイタリティがいるものね
ここで言ってしまうと。
RISAッチ元気だして~
私は↑ベジ的意見をはしょりましたが
以前、戦争資料館
ピース愛知にも一人で行ってきたのですが。ベジになって
戦争反対といった事、に驚く程興味を無くしてる自分がいて。もうそういうレベルじゃないというか。勿論、戦争反対は当たり前のこととして、自分の中に根付いて
いるので、これ以上根付き用がないというか。
。国同士の争い以前に、「家畜」というレッテルを貼った動物なら
生きる権利を奪ってもいいという、当たり前感。今の種差別を無くす活動に集中したいんですね。「死体の晩餐」とか「ベジタリアンの世界」とか(だったかな)を読んでいただければ
分かりますが。変えるなら根本的なところから、変えていかないと…と。
戦争反対の活動は、どなたかにお任せしたいというか
投稿: Natsumi | 2008年7月28日 (月) 14時49分
そう、なっちゃんの粋なコメント載せたかったんだけど。
ごめんね~
激しく主張していくと人は引いてしまうものだからね。
べジもそうだけど、いかに自然に歩み寄るかが大事だよね。
それがまた・・・難しいんだけども
人間ってやっぱり争うものなんだなぁ、とある意味今回のブログで勉強できたよ。
批判される、てことはそこにもう争う種があるってことだからね。
せっかくべジになったんだから、争う種をまく側になるのはやめないとね
投稿: Risa | 2008年7月28日 (月) 21時59分
そうそう、自然にね。強制されてると感じさせず
自発的な思いだと思わせる風に、影響させて変えていくっていう…。
>争う種をまく側になるのはやめないとね
ってのはその通りだね~
そういえば
生きたまま臓器をとられるって言ってたのは、「闇の子供たち」のことでした。日本人監督が撮った、タイの臓器移植の映画ね。ドキュじゃないけど、それに近いっていう。
感想送ってきたよ
「映画面白かったよ!蒼井優ちゃんは可愛いし
。ちょっと落ち込んでたから、立ち直れそうな気がする(笑)芯の強そうな優ちゃんだからこそって感じです
」だって
。
「百万円と苦虫女」を見た友達が
投稿: Natsumi | 2008年7月30日 (水) 12時45分
こないだバイトの後、大学に行く前に長久手古戦場の前で煙草を吸って休憩していたら、お爺さんに話しかけられ、ぼちぼち話してたら、そのお爺さんは戦争中の元将校だったということで、ジャイアンツとドラゴンズのクライマックスシリーズの行方やいかに、や、イチローなどの話と共に、名古屋空襲の時にB29に特攻したゼロ戦があの辺りの天皇廟に落ちて、B29があそこのトヨタ自動車博物館辺りに落ちて、という話も聞いて、ああ、やっぱり太平洋戦争の続きが今なんだな、現実だった、と学びました。
その戦争の、悲惨に何を理想に掲げ、不安定な魂を安定させようとしていたか、が、現代にも変わらない普遍として、在る、とソクラテスなら言うと思います。
人間は、僕らが子供の頃思っていたより、紀元前から進歩などしてないんだな、という。
僕も高校を卒業するまで漫画家になりたくて東京の集英社に持ち込みとかしました。編集者に、今のジャンプはつまらん。と言ったら、辺りがシーンとなって恐怖を感じた事を思い出しました(笑)
その後、赤塚不二夫の赤塚賞のコメントを読んで、若いうちに古典を読め、とあったので、高校から本を読み始めて、頭の中に口には出さないあらゆる言葉の氾濫する僕には文学の方が向いてるかも、と思い、今は一応、芥川賞を目標としてます。野望はもっと高いですが(笑)
お互い市井のさすらいの創作者として頑張りましょう
その流れで僕も文章で参加してる、地道な総合雑誌、『何故?』というがあって、一年三冊とのんびり出しているのですが、良かったら、四コママンガを描いてもらいたいなぁ、と感じます。原稿料は無いです(笑) いつか菊地寛の『文藝春秋』に勝つ! というものです。
面白いので、ホームページがあるのでちょっと見てみて貰えると嬉しいです。
総合文芸評論雑誌『何故?』
というので、今度、東京の蒲田町でやる文学フリーマーケットというのに出店して、僕も売りに行きます(笑)
ちょっと要チェックで(笑)
自分自身を持ちながら、創作する人間の作品を、芥川賞を取ろうが何だろうが、自由な表現の砦として地道にはじめた雑誌なので、僕は来年3月の第四号に、屠殺場の職人を主人公にした、『現代』のタブー無視の小説を書きたいな、とかも考えてます。
いや、良かったら、マンガを描いて欲しいんですが(笑)
とにかく『何故?』を知って貰いたいので、暇な時にホームページ見て下さい
投稿: 小取継 | 2009年10月22日 (木) 06時19分
小取継さん

凄そうな雑誌ですね
(色んな意味で)
お誘いありがとうございま~す
何か
編集部で
そう言い放った小取継さんも凄いです(笑)
『何故?』初めて知りました。(仕事上雑誌に囲まれてるんですが)
ちょっと見てみたいですね
「文芸評論」なら…文芸評論をするのかと思いきや、そうでも無いのですね?
(色々な掲載作品…)漫画描くとすれば何ページでしょう。
ちょっと考えちゃいましたが
まだ分かりません
←連絡とらせて頂きますが
)
一応、私の連絡先書いておきますね。 natsumi_36rafu@yahoo.co.jp
(その気になれば私から
タブー無視の小説どんなでしょう
気になります


参考までに「いのちの食べかた」と「隠された風景」お勧めです
頑張って下さい
投稿: Natsumi | 2009年10月22日 (木) 22時49分